「THE ドラえもん展 TOKYO 2017」現代アート初心者にこそおすすめ! おすすめの参加アーティストをご紹介します。
この秋、現代アート好きにはたまらない展覧会があります。
そしてこの展覧会、現代アートがよくわからないという方にも、入門編としてぴったりではないかと思うので、まだ全容が明らかになってはいませんが、ちょっと先走って、強くリコメンドしたいと思います。
その名は、
「THE ドラえもん展 TOKYO 2017」
えっドラえもん、子供向け?と思ったあなた!
とんでもない。
今をときめく、日本を代表する現代アーティストが「これでもかっ」というくらいてんこ盛りに、名を連ねているのです。
「現代アートって、なんかよくわからなーい」という人にも、ドラえもんという共通言語があるおかげで、十分楽しめると思うし、これだけのアーティストが揃うと、
「私、この人が好きかも♡」という作品に、出会える確率大です。
それどころか、ドラえもん展の参加アーティストを知るだけで、ちょっとした「現代アーティスト通」を気取れます。
草間彌生や奈良美智だけではもの足りなさを感じているあなた!
現代アートの新しい扉を開くチャンスですよ。
さて、それでは参加アーティストを少し紹介しますね。
まずは「村上隆」
紹介するまでもないかもしれませんね。
ゆずのジャケットを担当したり、日テレの24時間テレビのTシャツをデザインしたりと、現代アートを特に意識していない人でも、知らないうちに目にしていることと思います。
ただ村上隆は、ただのイラストレーターではないですよ〜。
ベルサイユ宮殿で展覧会をやったり、ルイヴィトンとコラボ商品を作ったり、2年前の個展では、200人のスタッフや美大生を動員して、全長100メートルにもおよぶ「五百羅漢図」を発表しました。
大御所だけど、まだまだアート界の常識にアグレッシブに挑み続けているアーティストです。
続いて「会田誠」
現代アート界の問題児ですね。
「これあかんやつと違う?」と「アート?」のギリギリのところを鋭く表現しています。
いや、アウトのやつもあるような・・・
でもアートは道徳の教科書である必要はないですよね。
会田誠の確信犯的な挑発に、うっかり乗ってしまうところでした。
彼にとっては、アウトと評価されることも織り込み済み、そんな気がします。
ちなみに5年ほど前に森美術館で開催された個展「天才でごめんなさい」は、あまりに過激な表現でスポンサーがつかないため、彼を応援するサポーターが「勧進」という名の寄付をし、開催が実現しました。
でもできればドラえもん展では、ギリギリセーフの方の方の作品でお願いします。
お手柔らかに・・・
次はちょっと趣を変えて「山口晃」
現代の浮世絵師、あるいは大和絵師といったところでしょうか。
狩野永徳の「洛中洛外図」のような俯瞰した作品が、本当に素敵です。
日本美術をリスペクトしているのか、いじって楽しんでいるのか。
でも山口晃の作品を見ると、「日本美術ってやっぱりいいな」と思ってしまうのです。
また彼がガチの浮世絵師である証拠に、浮世絵復刻版の製作でお馴染みのアダチ版画から、「新東都名所シリーズ」を発表しています。江戸時代の浮世絵?
いえいえ、東京タワーは江戸時代にはないですね。
次はやはりこの人「鴻池朋子」
今国内外のアート界で、もっとも勢いのある女性アーティストではないでしょうか。
まず、私にとっての鴻池朋子といえば、「狼」ですね。
しかし近年の鴻池朋子の眼差しは、狼が生まれ育っ原野に帰るかのように、自然への畏怖と、共存への熱望に満ちているように思えます。
かなりグロテスクな作品があるかと思えば、一見可愛いほっこり、でも中にはちゃんと牙が…
うまく言えませんが、身体の芯をぐっとわしづかみにされる感覚です。自分の筆力の無さを恨みたい。とにかく見てください。
まだまだ行きますよー。
続いての登場は「小谷元彦」です。
美しいから怖い、可愛いから怖い、痛いから怖い、何かよくわからないから怖い、そんな作品を作るアーティストです。
写真、彫刻、映像、どれも素晴らしいですが、私は以前「幽玄の知覚」という個展で体験した映像の浮遊感が忘れられません。
上へ上っているのか、下へ落ちていくのか、自分の身体に対する確信を奪われる世界に、映像の力だけで連れて行ってくれました。
小谷元彦の手にかかると、きっとドラえもんと一緒に「楽しいから怖い」世界に連れて行ってくれるかも知れませんね。
次は写真界から、「梅佳代」
もう10年ほど前になりますが、写真集「うめめ」で写真家としてデビューし、写真界の芥川賞の「木村伊兵衛賞」を取っちゃった写真家です。
彼女が受賞した時、当時の写真界に激震が走ったのを覚えています。だって彼女はオート機能で写真を撮る写真家だったからです。
今ならiPhoneなどでアート作品を撮るのも、当たり前になりましたが、当時はまだまだガラケー全盛期の時代。
「露出やシャッタースピードがわからなくい私でも、アートな写真が撮れるかも」と思わせてくれた、カメラ女子ブームの火付け役に大きく貢献したアーティストだと思います。
のび太たち小学生の世界は、梅佳代にとってホームグラウンドのようなもの。どんな作品になるのか楽しみですね。
これ以外にも、 無機質で無表情、独特の構図と曲線、近未来なのか遠い昔なのか、しかし一度見たら忘れられない人物画?を描く「町田久美」
インスタ女子は、この人の写真を意識して撮ったことが絶対1回はあるよね。
カメラ女子のカリスマ「蜷川実花」
萌え絵を現代アートにしてしまった「Mr.」
最近は現代アートのアーティストとしても活躍中の漫画家「しりあがり寿」
あっ、「ゆるめ〜しょん」好きです。
第1弾に発表の参加アーティストだけでも 組、全然紹介しきれません。これに加えて第2弾の参加アーティスト発表され、近日中に残り2組のアーティストが発表される予定です。
残り2組、たぶんビッグネームですよね。期待していまーす。
「THE ドラえもん展 TOKYO 2017 」
開催期間
2017年11月1日(水)〜 2018日1月8日(月・祝) *会期中無休
会場
森アーツギャラリー
六本木ヒルズ森タワー 52階